歯ぐきに何らかの異常を感じいたとすれば、それは歯周病かもしれません。
「歯ぐきがムズムズする」「歯ぐきが痒い」といった症状から始まり、「歯を磨くと出血する」「匂いがする」さらには「歯がぐらぐらする」「歯ぐきが痛い」などの症状に及ぶ事も珍しくありません。
厚生労働省が発表した平成28年の調査(歯科疾患実態調査)では、35歳から69歳の約7割が何らかの歯周病に関連する症状や所見が見られるとしています。
歯周組織検査において4mm以上の歯周ポケットがある方は要注意と見なされます。
健康な歯ぐきの歯周ポケットは平均で2mm前後です。
55~64歳 | 53.7% |
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65~74歳 | 57.5% |
75歳~ | 50.6% |
上記表から読み取れる通り、中年期以降の約半数以上は進行性の歯周病です。当院に来院される方のほとんどが何らかの歯周病に関わるトラブルを持っておられます。
健康な歯茎から出血は起こりません。
多くの場合歯茎からの出血の原因は歯周病が関連しています。歯垢の中に潜んでいるばい菌が歯茎の中に侵入しようとする事により炎症が引き起こされ、炎症が起こった場所は少しの刺激で(軽い歯磨きや固いものを食べるなど)出血を起こします。
また、とても厄介なのが血が出ても初期の内はほとんど痛みがありません。痛みがないから血が出てもほとんど気にする事なく「放置」してしまう事で歯周病は進行します。
健康な歯周ポケットはおおむね1〜2mmで収まります。
それ以上の深さの歯周ポケットは形成されていると、ばい菌が繁殖しやすい環境となるので歯周病リスクが高まります。歯周病が進行すると歯を支える骨が溶け始めて最終的には抜けてしまいます。
歯茎からの出血に加えて4mmを超える歯周ポケットがあるという方は、ほぼ歯周病だと考えて良いでしょう。
歯科衛生士指導による厳密なブラッシング指導を基本として、歯石の除去を行います。場合によっては歯ぐきの奥底にまで範囲を拡げて治療をおこなう必要があるでしょう。
残念ですが、歯周病によって溶けた骨は元通りには治りません。
歯周病を撃退するために出来る事は、歯周病菌が繁殖しずらい口腔環境を生活習慣から見直して作り上げる事です。歯石を取る事も確かに治療の一つですがそれはあくまでも対症療法であって根本的な治療ではありません。
自宅でのホームケア、歯科医院でのプロフェッショナルケア、食生活を含めた生活習慣を変えるなどして歯周病が口腔内に住み着きにくい環境にシフトチェンジしていく事が大切です。
ブラッシング改善 | 歯科衛生士の指導を必ず受ける事 |
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生活習慣改善 | 食生活や生活習慣を見直しましょう 煙草は歯周病を悪化させます |
メンテナンス | 3~6ヶ月毎にメンテナンスを受けましょう 歯石をためると再発します |
かほりまちテラス3階の医院フロアは全て予防メンテナンス・ゾーンに充てており計7台のメンテナンス専用チェアーを配備しています
。経験値の高い歯科衛生士による担当制の歯周病治療をおこなう事ができ、症状が重い方にはトータルヘルスプログラムという歯周病病の集中治療プログラムを推奨しています。
ブラッシング、歯石除去、定期的なメンテナンスの受診を継続する事で歯周病の重症化率を大幅に下げられます。また、誤嚥性肺炎や糖尿病など重篤な症状を予防出来る確率が高まるので歯周病治療は文字通り「命を守る」治療です。